銀行系キャッシングの歴史を考えてみる

銀行とキャッシングの歴史を考えてみた場合、銀行がキャッシング会社とのかかわりを持ち始めた時期を振り返ってみると、例えばプロミスの場合は、三井住友フィナンシャルグループと提携を結んだのは2004年のことです。こうして考えてみると、銀行系キャッシングの歴史の始まりは、比較的最近のことのように思えますが、銀行系キャッシングを銀行による個人向け融資の一種として捉えてみた場合、その歴史は、はるか昔の太平洋戦争より前のこととなります。

金融機関の個人向け融資のルーツは、1929年(昭和4年)、当時の日本昼夜銀行等が始めたものが最初とされています。こういった個人向けの融資は、その後、太平洋戦争による経済統制や、戦後の復興で企業向け融資が優先されたことで一時、途絶えていたものの、大手銀行においては、1960年(昭和35年)頃から、個人向けの小口融資が再び行われるようになりました。そして1962年には、現在のプロミスの前身にあたる会社が設立されるなど、現在も続く消費者金融会社も設立されていくようになりました。

その後しばらくは銀行とキャッシング業界は直接交わることはありませんでしたが、貸金業法など関連法規の改正により金利の引き下げを余儀なくされたことや、強引な取立てが社会問題化したことによるイメージの悪化などにより、生き残りのため強力な後ろ盾を求めるようになったキャッシング業界と、日本版金融ビックバンなどによる経営環境の変化により、新たな収益源を模索するようになった銀行の利害が一致したことから、先に書いたプロミスの三井住友フィナンシャルグループ入りや、2008年の消費者金融の「レイク」の新生銀行の子会社への売却などの現在の銀行系キャッシングの歴史へとつながり、現在に至ります。

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